予測するのは容易いけれど(JMO2020 予選第9問)

 来る2月11日(建国記念の日)はJMO/JJMOの本選でしたが、今年の本選出場ラインは何と過去最高タイの8点でした(画像は公式HPより転載)。

 確かに今年は例年に比べると手を付けやすい問題が多い印象でしたが、自分が考えていた以上に上位層の出来は良かったようです(自分は合格ラインを7点と予想していました)。この結果を念頭に置くと、本予選を突破する為には前半(問1~問8)だけでなく、例年であれば「捨て問」扱いされがちな後半(問9~問12)、例えば今回紹介する問9などについても得点をもぎ取ってゆく必要が出てきます。

 本問は関数方程式分野からの出題で、内容は極めてシンプルです。

 例えばf(n) = nという関数は上の条件を満たす関数の一つで、この時はf(66) = 66 となります。しかし「f(66)として”ありうる”最小の値」という問題文からも想定されるように、条件を満たす関数fはf(n) = n以外にも存在し、f(66)が取りうる値も各々の関数によって変わってきます。

 前半の条件「関数fは2以上の整数値に対して2以上の整数値を与える」だけを考慮すると、f(66)の取りうる最小値は2ということになりますが、後半の条件「任意の2以上の整数m, nに対してf(mf(n)) = f(m)f(n)」を用いることで以下に示すとおり f(66) =2, 3の可能性は除外されます。

 上記の方法は2及び3が6の約数であり、66 = (62)3 = (63)2 と変形出来る事に着目しています。同様にしてf(66) ≠ 6を導くことも出来ますが、6の約数でない他の整数については用いることが出来ません。

 従って現段階で考えられるf(66)の最小値は4です。もし、問題文の条件を満たした上でf(66)=4であるような関数fを1つでも見つけてしまえば本問は終了です。このことを念頭に置いて作成したのが以下の答案です。なお、平方数とはある整数の二乗で表される整数全体を指します。

 f(66) = 4となる為にはf(6) = 2が必要であるという所まではすぐに考えついたのですが、そこから実際に条件を満たす関数を見つけ出し、それを言葉で纏めるには大変な労力を要しました。JMOのHPでは答えのみしか記されておりませんので、今回見つけた関数以外にf(66) = 4を満たす例があるかどうかは不明です。

 上述のように正確な論証に基いて答えを出すには多大な労力が要求される本問ですが、答えを予想する(即ちf(66)=2及び3の可能性を排除する)だけであれば制限時間内でも何とかなります。

 記述式ではf(66) = 4となる関数の具体例を示さなければ勿論0点ですが、JMOの一次選考は答えのみ書けば良く、勘を上手く働かせることで答えにたどり着いた人も一定数いたのでは無いかと勝手に考えています(合格点が8点に上がった原因?)。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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