教科書レベルの問題…?(1991年 東大前期・文系)

 今回取り上げるのは東大文系で出題された次の問題です(問題文はhttp://server-test.net/math/tokyo/より引用させて頂きました)。

 本問は閉区間における3次関数の最大値・最小値問題であり、典型問題として教科書の例題に配置されていても違和感はありませんが、そこは東大、流石に甘くはありません。極値を求める為にf'(x)=0の解を求めた段階で、嫌な予感が漂います。

 (解答)

 最終的な答案は短くまとまっていますが、答えに至るまでに要求される計算量は生半可ではありません。受験テクニックだけでなく(勿論次数下げのようなテクニックは必要ですが)、時には煩雑な計算を粘り強く遂行する事も大事だという東大からのメッセージを感じます。

 f'(x)が有理数の範囲で因数分解できず、極大値及び極小値を与えるxの値(α及びβ)は根号を含んだ複雑な形になります。残念(?)ながら、α及びβはいずれも-7/4≦x≦3に収まっていますので、両端の値と極値を全て計算しなければいけません。

 極値f(α)及びf(β)を求めるステップは最初の山場です。α及びβがf'(x)=0の解であることを用いて次数下げ行い、少しでも計算の手間や計算ミスのリスクを減らします(直接代入・展開すると悲惨)。また、両端の値のうち、f(-7/4)についてはいきなり全て代入するよりも、解答のように次数下げを行った方が楽な気がします。

 最後に両端の値と極値の大小関係を吟味します。最大値については通分計算も比較的容易であり、√13 > 3という緩い評価によってf(α)>f(3)が導かれます。一方で最小値については、通分計算すら4桁の整数が飛び交うなど容易ではなく、√13の評価についても√13 < 4程度の甘い評価では解決しません(今回は√13 < 3.7と評価しました)。

 当時の受験生は、第一問で題意も明快である本問より取り組んだと思われます。実際計算こそ煩雑ですが答えまでの方針は一本道ですので、時間さえかければ解答にはたどり着けるはずです。とはいえ時間的・精神的消耗が大きい上に、計算ミスのリスクも高く、本問に囚われすぎると他の問題の解答にも影響が出てしまいそうです。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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