京都大学ご乱心!? (2004年 京都大学 後期)

 2000年代の京大数学は、難易度の変遷が非常に激しい10年とされています。2002年までは難易度が非常に高かった為、受験生間の差がつかず(2002年東大数学は逆にここ30年で最も簡単だったと言われています)、2003年から大幅に易化しました。

 この流れは2006年まで続いたようで、2007年からは再び難易度が急上昇。その後も2010年代に突入するまで難易度は乱高下を続けます。

 今回紹介するのは京大数学の難易度が最も易化していた頃、2004年後期の問題です。文系及び理系で、ほぼ同様のコンセプトの問題が出題されています(問題はhttp://server-test.net/math/kyoto/より引用させて頂きました)。

(文系)

(理系)

 

 文理で難易度に殆ど差は無く、疑心暗鬼になるくらいあっさりと解決します。可能な限り丁寧に記述していますがそれでも共に解答は4行程で、京大側が何を思って出題したのか、その意図を汲み取るのが難しい問題です。

 京大数学において解答が数行で終了する問題は時々登場するものの、そのような問題は往々にして高い発想力が問われる場合が多いです。しかしながら、本問は与えられた関数や写像こそ抽象的ですが、示すべき内容は明快で発想力も余り必要としません。

 文理とも大多数の受験生が短時間で完答出来たのではないかと思われ、数学が得意な受験生に取っては(差がつかないという意味で)辛い問題だったと思われます。この問題を含めて2004年後期は小問こそ無いものの、方針の立てやすい問題が多く難易度は低めでした。

 なお、文系で登場したf(x+y)=f(x)f(y)なる関係を満たす関数fは、x=0で微分可能であるならばf(x)=ax (a≧0, 但しa=0のときf(x)=0の定数関数)となります。

 このことは与えられた関係式と導関数の定義から受験生でも導くことが可能で、大学入試でもしばしば登場します。今回の場合はf(1)=2であるのでf(x)が微分可能であればf(x)=2xです。

 自分がこの問題を初めて見たのは「大学への数学」という雑誌でした。他年度の京大数学の問題との難易度の落差から、非常に強く記憶に残っていたため本記事にて紹介してみました。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

京都大学ご乱心!? (2004年 京都大学 後期)」への1件のフィードバック

  1. なんだか不思議なお話ですね~
    まつぶしさんの解説がとても丁寧なのでスラスラ解ける気がしますが、
    今の劣化した脳だときっと問題出されたら文章で躓きそう(普通の国立生並の感想)

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