2020年と割り算 (2020年 一橋大学 数学)

 一橋大の数学は文系最難関との呼び声も高く、理系受験生でも攻めあぐねる問題が数多く出題されます。中でも整数問題は毎年必ず出題される「一橋名物」であり、その質の高さから演習問題としても人気があります。

 そんな一橋の今年の整数問題は、西暦を絡めた剰余に関する問題でした。

(1)の解答

 (1)については複数のアプローチが考えられます。

その1: 素直に計算

 1010くらいであれば、無理やり計算することも可能です。万策尽きた場合は部分点狙いで試みるのも悪くないかもしれません。但し、この解法を採用すると(2)に繋げることが難しくなります。

その2: 余りの周期性に着目

 大きな数の余りを扱う場合、その周期性に着目するのも常套手段です。但し今回のケースでは割る数も相応に大きいため、実際に計算をしないと周期がどの程度になるかは分かりません。

 幸い小さいほうから始めると、106を計算した所で周期性が見つかり事なきを得ます。この際、105や106を直接2020で割っても良いですが、1つ前の余りを利用した方が計算量が少なくてすみます。

 (1)を解くだけであれば、記述量を考慮すると愚直に計算した場合とさほど所要時間は変わりませんが、この周期性が(2)を解くうえで大きな武器になります。

その3: 合同式による次数下げ

 余りを負の数に拡張し、104を2020で割った余りが1920 ≡ -102 であることに気が付けば、上記のように1010に対して次々と次数下げを行うことによっても余りを求めることが可能です。この他、2020*5 =10100 =104+102 ≡ 0 (mod 2020) によっても同様の結論が得られます。

(2)の解答 ((1)における解法その2を採用)

 まず「各位の和が2である100桁の整数」を数式として表現することが最初の目標ですが、このような整数は最高位以外殆どの位が0になります。すなわち最高位が2であれば最高位以外全て0 (= 2 x 1099)、最高位が1であればそれ以外1か所だけ1です。

 前者が2020の倍数で無いことはすぐにわかるので、考えるべきは後者のパターンです。そして、このタイプの整数は2つの10の累乗の和(1099+10k)で表現できることに気が付けば、本問は10の累乗を2020で割った余りの問題に帰着されます。

 (方針2)のように(1)で既に10の累乗を2020で割った余りの周期性を決定していれば後は一本道ですが、(1)で合同式による解法を選択した場合でも、104 ≡ -102 (mod 2020)の両辺を2乗することで108 ≡ 104 (mod 2020)が得られるため、同様の周期性を導くことが出来ます。但し k = 0, 1は周期の外側なので注意が必要です。

コメント

  本問は10kを2020で割った余りの規則性に気が付くことが出来るかが全てと言っても過言ではありません。割る数が大きいからと尻込みせず、小さい数から順番に割り算を実行するという、試験場での実験の重要性を感じます。

 年号に絡めた問題は毎年各大学で出題されますが、本問は2020という数字の性質を上手く利用しており、演習する価値のある一題といえます。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

2020年と割り算 (2020年 一橋大学 数学)」に2件のコメントがあります

  1. これはいいですね~、普段の授業でも応用できそうな問題。

    選択肢を出せるほど余裕があるまつぶしさんの引き出しにいつも驚かされてます。

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