京都大学の本気 (2020年 京大理系 第4問)

 今回は今年の京大入試から、毎年恒例の整数問題を取り上げます。

 ここ10年ほどの京大の整数問題といえば、問題文が非常に短いうえに計算量も少ない為(ある程度の発想力は要求されます)、得意な人にとってはいわゆる「得点の稼ぎどころ」となっていました。

 ところが、今年の整数問題は上記のように問題文が比較的長く、その全容を理解するまでに多少の時間を要します(分かってしまえば単純ですが)。

 問題文を要約すれば「f(m, n)は(m, n)がどのような時、3で割り切れる回数が最大となるか?」という事になるわけですが、それが分かった上で更に難所が続きます。

解答

f(m, n)が3の倍数となる条件を考える

 
 先述のようにA(m, n)の意味は「f(m, n)が3で割り切れる回数の最大値」であり、A(m, n)が最大値を取るためには少なくともf(m, n)が3の倍数である必要があります。

 そこでいきなりA(m, n)の最大値を与える(m, n)を求めるのではなく、必要条件としてf(m, n)が3の倍数となるケースを考えます。

 定石としてm及びnを3で割った余りによって分類して(但しnは3の倍数ではない)、それぞれf(m, n)を3で割った余りを吟味することになりますが、この時点で既にそれなりの計算量が要求されます。

m≡1, n≡1の場合

 
 m ≡ 1 かつn ≡ 1 の時、f(m, n)は「3の倍数であるが9の倍数ではない」数となります。よってf(m, n)は常に3で一回だけ割り切れるのでA(m,n) = 1です。

m≡0, n≡2の場合 (前半)


 m≡0 かつ n≡2 の場合もf(m, n)は3の倍数となりますが、先程のケースと異なりk, lの値を上手く取ることで更に3で割れる可能性があります(そうでない場合は(a)と同じくA(m,n) =1です)。

 よってA(m, n)を最大とする(m, n) = (3k, 3l-1)の組は、f(m, n)を3で割った商であるg(k, l)が3の倍数となるようなものの中に存在することになります。

 今回はg(k, l)の各項のうち「9k3+3l2」が3の倍数であることに着目する事で、kやlの余りに関する場合分けを極力減らすことが可能で、結局l = 1, 4, 7, 10の場合のときのみA(m, n) ≧2となることが分かります。

m≡0, n≡2の場合 (後半)


 続いてn = 3l-1におけるlの値によって場合分けをします。このうち、l = 1, 7, 10の時はg(k, l)は「3の倍数では9の倍数ではない数」となるため、A(m, n) = 2となります。

 一方でl = 4 (n = 11)の場合、g(k, l)は9の倍数でありこの時点でA(m, n)≧3となるため最大値はこの中に存在します。

 更にg(k, 4)を9で割った商をh(k)と置き、h(k)を3で割った余りについて更に吟味することによってk = 1, 4, 7, 10 (m = 3, 12, 21, 30)の時にh(k)は3の倍数となり、これらはいずれも9の倍数とはならない事から、A(m, n)の最大値は4と分かります。

コメント

 問題文も例年に比べて長い本問ですが、実際に解き進めると様々な条件分岐を考察する必要があり、最終的な記述量もかなりのものとなります。

 近年の京大入試の整数問題としては間違いないなく質量共にトップクラスの難易度と言え、例年の難易度を想定して整数問題を得点源としていた受験生にとっては心理的ダメージも大きかったことが想定されます。

 現実的にはf(m, n)が3の倍数となる条件だけでも求めて、部分点を稼ぐことになりそうです。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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