必要条件から絞り込む③ (1990年 東工大)


 前回及び前々回と同様に、本問も「必要条件から絞り込む」ことで十分条件を求めるタイプの問題です。

 しかしながら必要条件を探る為には6つの文字を含む複雑な等式を捌く必要があり、しかも任意に動く自然数がm, nの2種類存在するのでこの時点で難易度は高めです。

解答

必要条件から関係式を探る


 まずはこれまでの類題と同様に、小さなm及びnを等式(*)に代入する事で必要条件を探ります。最も計算が容易なのはn = 1の時を代入した場合ですが、このときx, y, z, wの値に依らず等式(*)が成立してしまう為、新しい情報を得ることは出来ません。

 そこで、二番目に計算が容易な場合として「n = 2, m = 1」を考えます。すると、上記のようにx, y, z, wが正数であることに注意しながら同値変形を行うことで、任意のm, nに対して式(*)が成立する為の必要条件として「xw = yz」が得られます。

 他の(m, n)の組み合わせによっては更なる条件が得られるようにも思われますが、n=2の場合mをどのように設定しても「xw = yz」以外の条件が得られず、n≧3とすると式変形が急激に複雑になり手に負えなくなります。

 そこで「xw = yz」こそが必要十分条件である、と仮説を立てて十分条件の検証に入ることになります。

十分条件の検証

 必要条件からwを消去した後、共通因数の括り出しと指数法則を最大限に活用しながら式変形を繰り返すことで、等式(*)が確かに成り立つことが分かります。

 とあっさり述べていますが、与式の複雑さが生半可ではない為に式変形も大変です。1つ1つの変形は教科書レベルを逸脱していませんが、試験場ではかなりの苦戦が予想されます。

コメント

 本問は必要条件による絞り込みを行う段階であう程度の試行錯誤が要求される上、得られた関係式が十分性を満たすかどうかは実際に代入計算をするまで分かりません。

 結論から言えば「xw = yz」だけで十分性が担保される訳ですが、この関係式にたどり着いた場合もその後の式変形の複雑さにパニック、あるいは十分性を示すには他にも条件式が必要なのではないかという疑念に囚われて、途中で断念した受験生も多いと思われます。

 何とか関係式「xw = yz」までは導出して、部分点を稼いでおきたい所です。

 分野としては純粋な数I・Aからの出題なので、高校一年生でも取り組むことは可能ですが、試験場で完答するには難度の高い1問と言えます。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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