孔雀石と緑青 (2001年 東大後期)

 古くなったり、濡れてしまった10円玉は時々緑色に変色します。この緑色の正体は「緑青」と呼ばれ、複数の銅化合物の混合物から構成されます。  興味深いことに緑青の主成分は宝石として知られる孔雀石(マラカイト)と同じであり、続きを読む “孔雀石と緑青 (2001年 東大後期)”

ベンゼンのニトロ化反応を掘り下げる (2015年 和歌山県立医大 化学)

  芳香族化合物のニトロ化は高校化学で習得する最も基本的な反応のひとつであり、「ベンゼンを濃硝酸と濃硫酸の混合物で処理するとニトロベンゼンが得られる」と記載されています。  教科書的には僅か一行で完了する反応ですが、反応続きを読む “ベンゼンのニトロ化反応を掘り下げる (2015年 和歌山県立医大 化学)”

フラーレンの化学 (2003年 東大化学 第3問-I)

 フラーレンは炭素の単体の同素体の一種であり、大学入試でもしばしばその名前を問われる問題が出題されますが、基本的には脇役です。  本問はそんなフラーレンにスポットをあてた珍しい一問です。 解答 問ア: z = 30  図続きを読む “フラーレンの化学 (2003年 東大化学 第3問-I)”

環状ジペプチドの構造決定 (2018年 東大化学 第1問)

 大学入試の構造決定問題にて登場するペプチド化合物は基本的に直鎖状のものが多いですが(芳香族アミノ酸やプロリン中の環構造は除く)、天然物或いは合成品として知られるペプチドの中には分子内ペプチド結合を介して新たな環構造を持続きを読む “環状ジペプチドの構造決定 (2018年 東大化学 第1問)”

ブラシノステロイド生合成と酵素反応 (2008年 東大化学 第3問-II)

 東大入試における化学の問題は教科書的な知識や計算のみで解決する場合は稀であり、多くの場合は試験場における読解力及び思考力が要求されます。  本問は生体内分子の生合成と酵素反応に関連する有機化学分野からの出題で、多くの受続きを読む “ブラシノステロイド生合成と酵素反応 (2008年 東大化学 第3問-II)”

あやふや虫食い算 (2015年 JJMO予選 第3問)

 JJMO(日本ジュニア数学オリンピック)はJMO(日本数学オリンピック)と同様に、IMO(国際数学オリンピック)の代表選考を兼ねて2003年より開催されている大会ですが、対象者が中学生以下である点がJMOと大きく異なり続きを読む “あやふや虫食い算 (2015年 JJMO予選 第3問)”