特殊ルールで規定される数列 (2008年 早稲田大・商)


 大学入試で登場する数列には大きく分けて以下の3パターンがあり、理論上はどのパターンであっても 代入計算によって任意のnに対してanを計算することが出来ます。

① 等差数列・等比数列などの基本形
② 「an = n2+n」のようにnの式として具体的に与えられている
③ 「an+2 = an+1 + an, a1 = a2 = 1」のように漸化式の形で与えられる

 しかし、数列の中には①~③のどれにも当てはまらない「特殊ルール」によって定められるものが稀に登場します。

 2008年に早稲田大商学部で出題された本問もその一つであり(早大商学部はこのタイプの問題を好む傾向にあるようです)、この類の問題は往々にして計算力よりも思考力や論証力が重要です。

(1)の解答


 とりあえず状況を探る為に何か具体的な値を代入する事が第一歩です。とはいえ条件(i)(ii)を考えると代入できる値は n = 99, 100くらいしかありません。そこでとりあえず n = 99を代入してみると、上手い事解決します。

(2)の解答


 (1)と同様に条件(iii)に n = 100 を代入する事で「f(101) = 2」という結論を得ることが出来ますが、多くの受験生の手はここで止まってしまった事でしょう。

 本問を解くうえで最初かつ最大のポイントは f(n+g(n))が0以上の整数値を取る事に着目して、f(n)が非減少数列(f(n)≦f(n+1))であることに気が付くことです。

 続いて n = 101を代入する事で f(101+g(101)) が f(102)より小さい値である事が分かります。g(n)もまた0以上の整数値を取る数列なので、f(n)の非減少性を考慮するとg(101)は0以外の値を取ることが出来ないことが導かれます。

 問題文を一瞥すると(1)と大差ない難易度に見えますが、実際にはここが本問最大の難関と言えます。

(3)の解答


 n = 102, 103… と順番に計算を行うと(2)と同様の論法で g(102) = g(103) = 0が導かれます。そこで n≧100のとき g(n) = 0であるとの予想を念頭に置いて上記の解答を作成しています。g(n) = 0さえ分かってしまえば、f(n)はただの等比数列でありその一般項を求めることは容易です。

 (2)が解答出来た受験生であれば、本問の結論に辿り着くことはそれほど難しくないと思います。とりあえず n = 102, 103あたりの値で実験を行ってみることが重要です。

コメント

 私学文系最高峰の名に恥じず、(2)以降については文系数学とは思えない難易度です。時間無制限で解く分には面白い問題なのですが、試験場では深追いすると大けがするタイプの内容と言えます。

 とにかく数列f(n)の非減少性にどれだけ早く気が付くかで全てが決すると言っても過言では無く、そこさえ乗り越えてしまえば以降はそれ程難しくありません。(2)が出来たならば(3)まで一気に解き切って、他の受験生に差を付けたい所です。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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