今年の富山大学工学部から不等式証明の問題です。最終的な目標である(3)の不等式はかなり難解な形をしていますが、(1)及び(2)が誘導になっている事は明白です。ところで自分は(3)の不等式に強烈な既視感があり少し調べて続きを読む “実は国際数学五輪級? (2020年 富山大・工)”
月別アーカイブ:2020年10月
代数学の転換点 (2006年 筑波大)
一次方程式や二次方程式は式変形や解の公式の利用で中高生でも簡単に解くことが出来ますが、三次以上の方程式となると因数分解可能な一部の例を除いてその解を具体的に求めることは困難を極めます。大学入試で高次方程式の解を具体的に続きを読む “代数学の転換点 (2006年 筑波大)”
疲労は最小限に (1961年 京大・文理共通)
先に出発したAを後からBが追いかけるいわゆる旅人算のような雰囲気の問題ですが、大きな特徴として追いかける側の「疲労」を考慮に入れています。疲労が速さの二乗と時間に比例するか否かはさておいて、Bはどのような速さで追いかけ続きを読む “疲労は最小限に (1961年 京大・文理共通)”
見た目に騙される勿れ① (2019年 和歌山県立医科大)
与えられた条件設定は極めてシンプルで距離の立式も容易な為、一見するとありふれた計算問題のように見えます。しかし、勘の鋭い受験生であれば最大・最小となるx座標の「具体的な値」では無く「小数第一位までの近似値」を問われて続きを読む “見た目に騙される勿れ① (2019年 和歌山県立医科大)”
夢の分子「テトラへドラン」 (2010年 東京慈恵会医科大)
正多面体と炭化水素 炭素原子は4つの価電子を持ち、最大4つの原子と共有結合を形成することが可能です。そしてある炭素原子が4つの単結合を形成する場合、中心となる炭素と4つの置換基はほぼ正四面体に近い位置関係となるのが一般続きを読む “夢の分子「テトラへドラン」 (2010年 東京慈恵会医科大)”
ミョウバンの化学 (2018年 東京慈恵会医科大学)
ミョウバンは食品添加物など幅広い用途がありますが、小学校の理科の教科書で初めてその存在を知った人も多いのではないでしょうか。 再結晶や溶解度の問題では食塩と並んで登場機会が多いミョウバンですが、高校の無機化学分野にお続きを読む “ミョウバンの化学 (2018年 東京慈恵会医科大学)”
見方を変えれば変数も変わる (1973年 東大・理系)
fkはn個の変数 (x1, x2, …, xn) から成るk次の多項式であり、これをf1及びf2のみで表現する事は一見すると難題のように思えます。そこでx1, x2, …, xnの取り得る値が0続きを読む “見方を変えれば変数も変わる (1973年 東大・理系)”
ビタミンと疾病の歴史 (2012年 東京慈恵会医科大)
医学部らしいビタミンの歴史と疾病を題材としており、前半はビタミンB1とその欠乏症である脚気に関する内容、後半は葉酸とサルファ剤の歴史に関する内容となっています。なお本問で取り上げられている高木兼寛は東京慈恵会医科大の創続きを読む “ビタミンと疾病の歴史 (2012年 東京慈恵会医科大)”
ジェネリック東大入試 (2010年 大分大学・医)
2003年の東大入試で出題された「円周率は3.05より大きい事を証明せよ」という問題は、当時の「ゆとり教育」に対する世相も相まって、恐らく日本一有名な大学入試問題では無いかと思います。この問題には実に様々なアプローチ続きを読む “ジェネリック東大入試 (2010年 大分大学・医)”
2の累乗と十の位 (2005年 千葉大学)
2の累乗は大学入試において出番が非常に多く、実に様々な切り口で登場します。本題の(1)及び(2)は常用対数や周期性に関する頻出問題である反面、(3)に関しては前問までの定石が通じず一筋縄ではありません。 (1)の解答 続きを読む “2の累乗と十の位 (2005年 千葉大学)”