コーシー・シュワルツの不等式 (2007年 早稲田大・人間科学)

コーシー・シュワルツの不等式とは  コーシー・シュワルツの不等式は元々ベクトルの内積に関して与えられた定理であり、n次元ベクトル空間(n個の成分から構成される)に属する2つのベクトル u, v に対して以下の通り与えられ続きを読む “コーシー・シュワルツの不等式 (2007年 早稲田大・人間科学)”

見た目に騙される勿れ② (2000年 東大・理系)

 登場する文字が多い上に与えられている関係式も複雑である為、問題文を一瞥しただけでは難解な問題に映ります。時間不足に陥りがちな試験本番では、この手の問題はとりあえず後回しにされがちですが、試しに(1)の誘導に乗ってみると続きを読む “見た目に騙される勿れ② (2000年 東大・理系)”

定積分と微分係数 (2017年 日本医科大)

 定積分絡みの極限値問題ですが、被積分関数が非常に複雑であり直接計算によるアプローチは困難を極めます。実はこのような形をした極限の式にはある種の定石が存在し、積分計算を直接行わずとも極限値を求めることが可能です。 解答 続きを読む “定積分と微分係数 (2017年 日本医科大)”

シリカゲルの表面積を求める (京都大学 2011年)

 シリカゲルは乾燥剤、消臭剤、クロマトグラフィーの担体など様々な用途で使用されますが、これはシリカゲルが有する多孔質構造に起因します。すなわちシリカゲルは拡大するとスポンジのような「穴ぼこだらけ」の構造をしており、一般的続きを読む “シリカゲルの表面積を求める (京都大学 2011年)”

極限値をイメージで捉える (2009年 大分大・医)

 (1)は教科書レベルの計算問題ですが、(2)は難問であり(1)とは別物として考える必要が有ります。Inの積分計算は n ≧ 3以降は急激に複雑になり、一般のnに対してIn を nの式で直接表現する事は現実的ではありませ続きを読む “極限値をイメージで捉える (2009年 大分大・医)”

素数でないと言う事 (2013年 阪大・理系)

 このようなタイプの整数問題ではnに小さな値を代入して「実験」するのが定石です。例えば n = 1では「2, 4, 6, 8」、n = 2では「3, 11, 37, 135」、n = 3では「4, 30, 248, 21続きを読む “素数でないと言う事 (2013年 阪大・理系)”

平方数の上3桁 (2008年 JMO予選 第7問)

 6桁の平方数は全部で683個存在する為、それら全てについて上3桁を具体的に求めている時間的余裕はありません。本問で要求されているのは6桁の平方数の上3桁が取り得る具体的な値では無く、取り得る値の総数であることがポイント続きを読む “平方数の上3桁 (2008年 JMO予選 第7問)”

三角形をはんぶんこ (2011年 早稲田大・教育)

 三角形の面積を二等分する線分の長さに関する有名問題です。単純明快な問題設定とは裏腹に、要求される手数が非常に多く難儀させられます。 解答  線分の引き方は両端が三角形のどの辺上に存在するかの違いによって3パターン存在し続きを読む “三角形をはんぶんこ (2011年 早稲田大・教育)”

ネイピア数と虚数単位の関係性 (2018年 早稲田大・教育)

 自然対数の底(ネイピア数)の定義と複素数の融合問題です。(1)は標準的な極限計算問題ですが、(2)ではネイピア数と複素数にまつわる興味深い関係式を得ることが出来ます。 (1)の解答  問題文の記述を最大限に利用してはさ続きを読む “ネイピア数と虚数単位の関係性 (2018年 早稲田大・教育)”

二次方程式と整数解 (2003年 千葉大学)

  整数係数の二次方程式が整数解を持つ条件を求めるという時折見かけるタイプの問題です。大きく二通りの解法が考えられますが、以降の展開は両者で大きく異なります。 解法1: 整数解と定数項の関係を利用する  全ての係数が整数続きを読む “二次方程式と整数解 (2003年 千葉大学)”