特殊ルールで定義される数列② (2019年 早稲田大・商)


 以前にも紹介したように(https://wp.me/pbB1S2-wO)、早稲田商学部の入試では特殊な数列を題材とした整数問題を好んで出題する傾向があり、いわゆる受験テクニックだけでは太刀打ちできない難しさがあります。

 今回の数列も具体的な式や漸化式によって定義されるタイプとは異なり、不等式及び剰余に関する条件及び西暦にちなんだa2019の値が与えられているのみです。問(1)は条件(ii)を利用するだけで簡単に解決しますが、続く問(2)は一筋縄とはいきません。

 (1)の解答で得られた知見や残りの条件をどのように組み込むかについて、高い発想力及び論証力が問われます。

(1)の解答


 先にも述べた通り(1)で使うのは条件(ii)のみで、n = 4の場合を考えます。上記解答では合同式を用いていますが、a4– 42 = 5N (N: 整数)と置いて考えても勿論構いません。

(2)の解答


 (1)の結果をヒントと捉え、まずはanを5で割った余りを考えます。条件(ii)よりanを5で割った余りはn2を5で割った余りに等しいため、nを5で割った余りを0, 1, 2, 3, 4 とすれば対応するanの余りは0, 1, 4, 4, 1となります。

 次に条件(i)からan (n: 自然数)の各項は自然数かつ{an}が狭義単調増加であることが分かります。仮に与えられた条件が(i)及び(ii)だけであれば、条件をクリアする数列{an}は無数に存在する事になり手詰まりとなります。

 ところが残る条件(iii)「a2019 = 6056」が存在することにより、数列{an}のn≦2019までの各項に対して大きな制約がかかります。

 例えばa1 ~ a6を可能な限り小さくなるように考えると、各項を5で割った余りに対する制約から順番に1, 4, 9, 11, 15, 16 となります。すなわちa1からa6までのサイクルで各項あたりの増分は+3であり、「1 + 3 x 2018 = 6055」という概算を考慮すると条件(iii)を満たすためには各項を最小にするように定める必要があると予想できます。

 実際に条件(iii)を達成する為にはa1 = 1として以降は全て最小限の増加に留める必要があり、裏を返せば条件(iii)のお陰で{an}の値は n = 2019までは一意に定まります。以上を纏めたものが上記の解答であり、anの一意性から 「an = 2021 ⇔ n = 674」を得ることが出来ます。

 なお n≧2020以降については{an}の一意性は崩れ、無数の組み合わせが存在します。

コメント

 結論を見てしまえば良く考えられた問題であると感心しますが、(2)については(1)の結果だけではヒントとして不足気味であり苦戦必至の内容と言えます。

 大学入試の場合基本的に不要な条件はないはずなので、「a2019 = 6056」 という条件からanの各項の増加に関しては「殆ど余裕がない」と気が付くことが出来るかが最大のポイントでしょう。

 
 
 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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