解けない方程式と極限 (2015年 滋賀医科大学)

 
 難関大では頻出タイプである方程式と極限計算の融合問題ですが、この手の問題の常として与えられた方程式の解を具体的に求める事は出来ません。

 本問のような極限計算に相対した場合、与えられた方程式からの式変形やはさみうちの原理の活用が突破口となります。

(1)の解答

 
 ある区間における解の存在と一意性を論じる場合、与えられた方程式について両辺の差をf(x)と置いてその増減を調べ、中間値の定理に持ち込むことが定石となります。

 今回のケースでは一階微分 f'(x)を求めただけでは f(x)の増減を論じるには不十分ですが、二階微分 f”(x) が与えられた開区間において常に正であることを利用して f'(x)及び f(x)の増減を論じる事が出来ます。

 定数aの存在が議論を少々複雑にしていますが、医学部受験者であれば何とかここまでは完答しておきたい所です。

(2)の解答


 先にも述べた通りxnを具体的に求める事は出来ない為、与えられた方程式を最大限に活用する必要があります。まずは見通しを良くする為に「 xn – 2nπ = θn」と置いて、三角関数の周期性からxnを消去し、θnとnに関する関係式を導きます。

 そして与えられた関係式をcosθnについて解くと、θn及びsin(θn+a)の定義域に基づくはさみうちの原理により「cosθn → 1, 0 < θn < π/2 ⇔ θn → 0」との結論を得る事が出来ます。結論が出てしまえば記述量はそれほど多くありませんが、答えに至る為には色々と試行錯誤が必要となります。

 身も蓋もない話ですが(3)の極限が不定形であると決めつけてしまえば、本問の極限値が0であることは明らかであり、本問の方針が立てやすくなります。

(3)の解答

 
 とりあえず(2)で得られた等式から「θn = …」と変形してみましたが、極限式が依然として不定形になってしまい断念しました。そこで、θn → 0では sinθn ≒ θn であるとの感覚から作成したのが上述の解答となります。

 出来上がった解答はやはり簡素ですが、そこまでに至る試行錯誤は多岐に渡り泥沼に嵌る危険性が高い内容となっています。この他にも、nをθnについて解く事でも同様の結論を得る事が出来ます。

コメント

 解の存在及び一意性に関する(1)は別として、(2)や(3)の問題については試験場における試行錯誤が必須であり、時としてドツボに嵌る危険性があります。

 この手の問題は類題を数多く解くことである程度は式変形に対するセンスを磨くことが可能で、演習の重要性を身をもって実感させてくれます。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。