小問集合に潜む魔物 (2019年 早稲田大・商)


 早稲田商学部の数学は3つの大問に対し90分の試験時間が与えられており、第一問は4つの独立した設問から構成される空欄補充型の小問集合、第二問及び第三問は論述式の問題となっているのが通例です。

 これだけ聞くと解答時間に余裕があるように感じられますが、本学部の小問集合はともすれば論述式以上の難易度を誇る問題がしれっと紛れている為、実質的には6つの大問を90分で捌く必要が有り、結局時間的余裕は殆どありません。

 上記の問題も一見すると何という事も無いように見えるのですが、類題経験の無い受験生に取っては中々に厳しい内容となっています。

解答


 p = 5+2√5 に対して「相方」である q = 5 – 2√5 を持ち出し、an = pn+qn に関する三項間漸化式を利用する発想があれば本問は解決したも同然です。

 漸化式の形からan は自然数であり、周期性からanの下2桁(= 100で割った余り)は最初の二項を除き全て50となります。加えて 0 < q2019 < 1であることから p2019の整数部分の下2桁は50より1だけ小さい49であると計算できます。この他にもanに対して二項定理を適用する解法もありますが、いずれにせよ q = 5 – 2√5 を持ち出すことは必須です。

コメント

 結論や解法自体は頻出なのですが、本来与えられて然るべき誘導が殆どカットされている為、類題に触れた経験のない受験生にとってはお手上げだったでしょう。見た目は小問集合の中の一題ですが、その実態は「ヒントとなる設問を全て削除した大問」といった方が良いでしょう(余談参照)。

 小問集合と言えば基礎的な内容が並ぶ得点源とのイメージが強いですが、本学部ではこのようにある程度予備知識がないと、徒に時間を消費させられるような厄介な問題が紛れています。すぐに解法が思いつくのであれば話は別ですが、そうでない場合は「小問集合 = 落とせない問題」との考えを捨てて、解ける問題から取り組むことが得策です。

余談: 2003年 東大・理系

 以下は2003年に東大・理系で出題された問題であり(3)は今回取り上げた問題と殆ど同じ内容ですが、(1)(2)がヒントとなっている為方針は非常に立てやすくなっています。今回の「小問」が実質的にノーヒント版東大入試であると考えれば、如何に侮れない内容であるかが分かります。


 なお、本問の解答は以下の通りです(途中経過省略)

(1) s1 = 4 s2 = 18 s3 = 76 sn = 4sn-1 + sn-2 (2) -1 (3) 6

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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