二次方程式と整数解 (2003年 千葉大学)

 
 整数係数の二次方程式が整数解を持つ条件を求めるという時折見かけるタイプの問題です。大きく二通りの解法が考えられますが、以降の展開は両者で大きく異なります。

解法1: 整数解と定数項の関係を利用する


 全ての係数が整数であるような方程式が整数解を持つ場合、その整数解は定数項の約数となる事が知られています(試験場における証明は必須)。この定理は本問のような方程式と整数解絡みの問題では重要な手がかりを与えることが多く、今回も与えられた方程式の整数解が3pの約数である事が分かります。

 pが単なる整数であればこの時点で整数解を絞り込むことは困難ですが、pが素数であることから整数解の候補を8通りまで絞り込むことが出来ます。

 以降は各整数解の候補についてpの値を吟味する事となります。場合分けがやや多いため煩雑ですが、最終的な結論(p = 2)が分かっている事を考えればこのまま押し切ってしまった方が、更なる絞り込みを行うよりは早いでしょう。

解法2: 判別式を利用する


 こちらの解答では「整数係数の二次方程式が有理数解を持つ場合、対応する判別式が平方数である」という事実を利用しています(やはり証明は必須)。整数解は有理数解に内包されるため、今回のケースでも対応する判別式は平方数となります。

 今回のケースでは「判別式=平方数」の条件式から因数分解を利用した解法に持ち込むことが可能で、場合分けが煩雑であった最初の解法と比べると少ない計算量で結論に辿り着くことが出来ます。「三次以上の高次方程式には適用できない」、「必ずしも有用な情報が得られるとは限らない」といったデメリットもありますが、上手くハマると計算量を大幅に削減できることもある為、覚えておいて損はありません。

 但し上記の解法では無理数絡みの記述をかなり簡略化しています(上記解答赤枠)。実際には「√Dが無理数 → 方程式の解が全て無理数」「√Dが有理数 → Dが平方数」のあたりはもう少し厳密な論証が必要になるかもしれません。

コメント

 本問を解くに当たり2通りの解法を紹介しました。どちらの解法も一長一短がありますが定数項と約数の関係を利用した前者の解法の方が汎用性が高く、論証力もそれほど必要としない為(その分記述量が多くなりがちですが)、出番は多くなるでしょう。

 一方で判別式を利用した後者の解法は、三次以上の高次方程式では適用できないなどの欠点はありますが、上手く使えば非常に強力なので前者の解法が利用できない(或いは場合分けが膨大になりそう)問題などに関しては、一考の余地があります。

 本問は整数分野の演習問題としては非常に理想的と言えるのではないでしょうか。

 

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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