ネイピア数と虚数単位の関係性 (2018年 早稲田大・教育)


 自然対数の底(ネイピア数)の定義と複素数の融合問題です。(1)は標準的な極限計算問題ですが、(2)ではネイピア数と複素数にまつわる興味深い関係式を得ることが出来ます。

(1)の解答


 問題文の記述を最大限に利用してはさみうちの原理に持ち込みます。ぱっと見の印象だとeに収束しそうな雰囲気ですが、実際には1に収束します。

(2)の解答


 与式を二項定理に従って展開して実部と虚部に分けることも可能ですが、以降の議論が非常に厳しくなります(マクローリン展開など、高校数学の範囲を逸脱した知識が必要となります)。

 そこで任意の複素数zの偏角θ及び整数nに対して「zn = |z|n・(cos(nθ) + isin(nθ))」が成り立つことを利用して議論を進めます。z = 1 + i/n の偏角θに対して正弦、余弦、正接を求めることは容易ですので、znの実部(an)及び虚部(bn)はn及びθの式として表現可能です。

 θをnの式で表現する事は難しいため(逆三角関数の導入が不可欠)、tanθ = 1/nを利用してnをθの式として表現します。n→∞のときθ→0であるので、以降は基本的な三角比に関する基本的な極限計算となります。

コメント

 (1)ははさみうちの原理に関する標準的な極限計算ですが、(2)では極形式を活用した上で、nを偏角(θ)で表現する必要があるなど相応の発想力が必要となります。

余談: オイラーの公式

 ネイピア数の定義からznの極限値として「ei」という形を考えることが出来る為、(2)の結果から「ei = cos1 + i・sin1」との結論を得ることが出来ます。

 これはオイラーの公式「eix = cosx + i・sinx」にx = 1を代入した結果に相当し、知識としてオイラーの公式を知っていた受験生であれば、(2)の結論についてはある程度予測出来たかもしれません。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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