平方数の上3桁 (2008年 JMO予選 第7問)


 6桁の平方数は全部で683個存在する為、それら全てについて上3桁を具体的に求めている時間的余裕はありません。本問で要求されているのは6桁の平方数の上3桁が取り得る具体的な値では無く、取り得る値の総数であることがポイントです。

解答


 まずは二乗が6桁となるような自然数の範囲を考えます。上限については10002がぴったり7桁となる事から9992 が最大値である事はすぐに分かります。下限については√10 = 3.16…を知っていれば直ちに3172に辿り着くことが出来ますが、知らない場合はある程度試行錯誤をしながら求める必要があります。

 次にこれら平方数を小さい順に並べて、その差を取ることで数え上げを実行します。ここで「隣接する2つの平方数の差が1000以上か未満か」という点が非常に重要となります。6桁の自然数における千の位は上3桁の1の位に相当する為、もし隣接する2つの平方数の差が1000以上であるならば、一方の平方数の上3桁は他方よりかならず大きくなります。これを満たすのは 5002 から 9992 までの範囲であり、この区間に存在する500個の平方数の上3桁は単調増加かつその値は全て異なります。

 一方隣接する2つの平方数の差が1000未満であるとき、2つの平方数の上3桁の関係性は「1だけ異なる(百の位で繰り上がる) or 変わらない(百の位で繰り上がらない)」となります。これを満たすのは3172 = 100489 から5002 = 250000 までの範囲ですが、この区間の上3桁は高々1ずつしか増加しない為、100から250までの151種類は全て登場します。後はこの2つの結果をまとめて、平方数の上3桁が取り得る値が合計650種類である事が分かります。

コメント

 一見すると整数問題風の見た目をしていますが、その実態は単調増加数列絡みの数え上げ問題です。JMO予選の後半部分と考えれば比較的解き易い部類に入りますが、隣接する2つの平方数の差に基づいた数え上げを自力で思いつく必要が有り、決して簡単ではありません。

 同様なコンセプトの問題は2013年の名古屋大や1998年の東大入試でも出題されています。そちらでは与えられた単調増加数列について、その整数部分が取り得る値の総数を求める内容となっていますが、基本的な考え方は全く同じです。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。