極限値をイメージで捉える (2009年 大分大・医)


 (1)は教科書レベルの計算問題ですが、(2)は難問であり(1)とは別物として考える必要が有ります。Inの積分計算は n ≧ 3以降は急激に複雑になり、一般のnに対してIn を nの式で直接表現する事は現実的ではありません。

 定積分を直接計算出来ないとなれば、次の一手は計算可能な定積分を利用したはさみうちの原理の活用となります。しかしながら、どのような関数を用いてはさみうちを行うべきか指針が示されておらず、自力で模索する必要があります。

(1)の解答


 n = 1, 2 の場合はInを直接計算することが容易です。いずれも教科書例題レベルの計算問題であり、数分程度で完答する必要があります。

(2)の解答


 先にも述べた通り、一般のnに対してInをnの式で表現する事は非現実的であり、はさみうちの原理を活用する事になります。上記の解答では唐突にInの積分区間を[0, 1]と[1, √3]に分割していますが、この点に関しては以下のように考えています。


 すなわちInの被積分関数はnを十分に大きくすることで、区間[0, 1)では直線 y = 1、区間(1, ∞)では直線 y = 0と見做すことが出来ます。これによりInを[0, 1]及び[1, √3]の2つの区間に分割して考えることの有用性が生じ、前者は1、後者は0に収束することが推測されます。

 ここまで来ればあと一息と言いたい所ですが、はさみうちに持ち込む為に必要な不等式の設定が意外と厄介です。特に区間[0, 1]については下側の挟み込み方が些か技巧的です。

コメント

 (1)の単純な計算問題から一転、(2)はノーヒントの上に思考力が問われる難問となっています。第1問に配置されている上(1)が非常に簡単なこともあり、(2)で多くの時間を消費してしまった受験生も多かったと思われます。

 (2)ではいきなり式計算を始める前に、対応する定積分(面積)がnが十分大きな場合どのようになるかを大雑把にイメージする事が非常に重要です。これにより積分区間の分割や、はさみうちに利用する不等式の設定などの方針が立てやすくなります。

 国立大の医学部入試は「他学部と問題が独立していて難易度が高い」場合と、「他学部と問題を共有しており、高い正答率が要求される」場合があります。大分大は前者のパターンで、本問のように高めの難易度の問題が並ぶ傾向があります。

 

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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