二数の和が自然数となる条件 (2016年 北海道大・文系)

 文系向けに出題された本問ですが、文理共通問題として出題しても決して見劣りしない難易度となっています。問題文から「与式 = m (m: 自然数)」と置きたくなるかもしれませんが、未知数が増えるばかりで埒があきません。

 本問に限らず入試で登場する整数問題では、いきなり条件を満たす整数値を厳密に求めようとすると詰まってしまうことも多く、まずは緩めの必要条件を設定して候補を絞り込む事で上手くゆく場合があります。

(1)の解答


 「分母の次数 > 分子の次数」である為、xがある程度大きくなると与式(= f(x))の値は最小の自然数である1を下回り、0へと漸近するはず。従って与式が自然数となる必要条件として「与式 ≧ 1」を考えることで、取り得るxの値をかなり絞り込むことが出来ます。

 分数式絡みの整数問題では今回のように「ある程度絶対値が大きい整数値に対して、与えられた分数式の値が0に近づく」という考え方が有効な場合が多く、一つの定石として頭に入れておきたい所です。

 なお「分母の次数 < 分子の次数」である場合も、分子を分母で割ることによって同様の議論に持ち込むことが可能です。

(2)の解答


 (1)で登場した分数式f(x)に1/yがくっついているだけですが、この1/yの存在が(2)の難易度を押し上げています。

 f(x)が自然数である場合((1)の結果より x = 1, 2)は単純で、1/yも自然数(厳密には非負整数)となる必要が有るため即座に y = 1が導かれます。

 問題となるのはf(x)が自然数でない場合で(x ≧ 3)、このとき与式が自然数となる(x, y)の組を直接求めることは困難です。ここでポイントとなるのは「与えられた範囲ではf(x)は1未満の正数、1/yは1以下の正数」であるという単純な事実であり、これにより与式が取り得る自然数値は1以外ありえないことが分かります。

 f(x)と1/yの和が定まった後は、yの範囲に着目してxの絞り込みを行います。与式の形から y≧2であるので、1/yの取り得る値の範囲は式⑧の通り定まります。これによってf(x)は1/2以上となる必要があり、得られた二次不等式から取り得るxの値を大幅に絞り込むことが出来ます。ここまで来てしまえば、後は虱潰しに条件を満たす(x, y)の組を探すだけです。

コメント

 いずれの小問も不等式を用いた必要条件の絞り込みが鍵を握りますが、文系受験生にが最後まで解き切るにはかなり厳しい内容です。とはいえ(1)に関しては標準レベルなので、何とか部分点は稼いでおきたい所です。

 

 

 
 
 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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