黒板の数字の行方 (2021年 JMO予選 第四問)


 四問目は最初に与えられた数からルールに従って次々と新しい数を生成するという、数オリではよく見かける形式の整数問題です。これまでの3問と比べると難易度は一気に上がる印象で(第二問、第三問については近日中に記事を作成する予定です)、予選突破を目標とする受験生にとってはここからが本番といった所です。

 とりあえず小さな数について実験してみると、操作を繰り返すうちに黒板に書かれた3つの数の差がどんどん小さくなり、最初に書いた3つの数の平均値に漸近してゆきます。このことから、2021回という膨大な回数の操作の後に3つの数が正の整数である為には、最初に与えられた3つの数の差はかなり大きなものであると推測されます。

解答

①: 漸化式を立てて解く


 n回の操作の後に黒板に書かれている数を (an, bn, cn)とすれば、与えられたルールから漸化式を立てることが出来ます(式①~③)。更にこの漸化式を利用した式変形により、黒板に書かれている二数の差を操作の回数と最初に書かれた数字によって表現することが可能です(式⑥及び⑦)。

② (a2021, b2021, c2021) が正の整数となる条件を考える


 (a2021, b2021, c2021) が全て整数であれば当然それらの差も整数となる為、先程求めた式⑥及び⑦から最初に書いた数の差に関する必要条件を得ることが可能です。あとは必要条件から a0 + b0 + c0 が最小となるパターンをピックアップし、それが実際に問題文の条件を満たす組である事を示せば終了です。

 (a2021, b2021, c2021) = (22021, 1 + 22021, 2 + 22021) となる事については解答を端折ってしまいましたが、式⑥及び⑦及び操作の前後で3つの数の和は不変である事を利用すれば簡単に決定出来ます。

コメント

 解答だけを見ると苦労を感じにくいですが、実際には色々と試行錯誤を行った末の解答となっています。結果から分かる通り、当てずっぽうに最初の数を設定しても解答に辿り着くことは不可能であり、しっかりとした議論が必要となります。

 最初に述べた通り前3問と比べると難易度は飛躍的に上昇していますが、本選突破を目指す上では落とすと辛い所でしょう。

 ところで、JMOでは数列の漸化式は範囲外だった記憶があるので今回の解答は少々強引な気がしています。実際にはもっとエレガントな解法が存在するのかもしれませんが、今のところはこれ以外の解法は思いつきませんでした。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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