正九角形の対角線というマニアックな題材を取り扱った問題です。本問は様々なアプローチが考えられますが、指定通りの形式(a + bcos20°)で解答するには少々苦労させられるかもしれません。
解法1 (二等辺三角形を利用する)
2つの二等辺三角形△ABC及び△ACEに着目する事で、AEの長さを4cos20°cos40°と求めることが出来ます。このままでは問題文の指定と異なりますが、積和の公式を利用すると最終的に1+2cos20°と指定通りの形に持ち込むことが可能です。
解法2 (台形を利用する)
上図左に示す通り対角線BDは対角線AEと平行であり四角形ABDEは台形となります。BDの長さは△BCDの底辺を考えることで2cos20°、ABとDEの長さは正九角形の一辺の長さから1となります。更に∠DEA = ∠BAE = 60°であるので、上図右の通り台形を長方形と2つの直角三角形に分割する事で、解法1と同様の結論を得ます。
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上記以外にも様々なアプローチが考えられますが、解法の選び方によっては問題文の指定通りの形に持ち込む為に積和の公式など「二の矢」或いは「三の矢」が必要となります。
例えば△AEFに着目する事で「AE = 1/(2sin10°)」という式を得ることが出来ますが、ここから指定通りの形に持ち込むのは中々に骨が折れます。
解法を見ても難しさを感じにくい本問ですが、アプローチを誤ってしまうと中々求める形に辿り着けず、試験時間の短さも相俟って(本問を含めた大問5つで制限時間60分)試験場ではパニックに陥る危険性を孕んでいます。