漸化式を解く前に一呼吸 (2007年 一橋大)


 本問を素直に解くのであれば、与えられた漸化式からan, bn, cnの一般項を具体的に決定した上で(1)及び(2)に取り組むこととなります。

 anは等比型、bnは階差型の漸化式で与えられており、各々の一般項を求める事はそれほど難しくありません。一方でcnの一般項を求めるの為には少々技巧的な式変形が必要であり、加えて計算量もそれなりに要求されます。

 an, bn, cnの求め方を理解しておくことは非常に重要ですが、実は本問の場合抜け道が存在しており、それに気づくと解答時間をぐっと短縮できます。

(1)の解答


 an, bn, cnをそれぞれ具体的に決定した上で判別式を計算する事でも勿論証明は可能ですが、判別式(実際にはその4分の1)を1つの数列と見做しその漸化式を考えることで計算量を大幅に削減することが可能です。

(2)の解答 

 線分PnQnの長さは、(1)で設定した二次方程式(*)における2つの実数解の差(の絶対値)に相当します。そこで解と係数の関係を利用してPkQkをak, bk, ckの式で表現すると(1)で利用した判別式絡みの数列dnが再登場し、最終的にPkQkの長さをakのみの単純な式で表現する事が出来ます。

 結局本問は等比数列の初項から第n項までの和を求める問題に帰着され、大した計算を行う事も無く最後まで解き切ることが可能です。

コメント

 与えられた漸化式を真正面から捌く解法を選択した場合、後述の通りそれなりの計算量が要求されます。一方で判別式が定数であることに気が付いた場合、僅かな計算のみで完答出来てしまう為他の受験生に差をつけることが可能でしょう。

備考: 残る数列の一般項

 an は先の解答で具体的な形を求めましたが、bn, cnについても具体的な形を以下のようにして決定する事が出来ます。


 bnは階差数列の定石に従って計算するだけですが、cnに関しては青枠部分の式変形を自力で持ち出す必要が有り、類題経験が無いと苦戦必至です。

 上の解答では青枠以降をかなり端折って記述している為簡単に見えますが、実際にはp, qの決定などそれなりに計算量があり、判別式を利用した先の解法と比べるとずっと大変と言えるでしょう。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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