オゾン分解産物の行方 (2021年 東大化学 第一問-I)

 今年も東大化学の第一問は有機分野からの出題であり、例年通り2つの独立したパートから構成されています。前半部分は分子式C6H12Oで与えられる6つの構造異性体に関連した構造決定の問題です。  与えられた分子式より不飽和度続きを読む “オゾン分解産物の行方 (2021年 東大化学 第一問-I)”

素数とエラトステネスの篩 (2021年 一橋大)

 京大数学のお株を奪うような非常にシンプルかつ興味深い設問です。  Wikipediaに掲載されている情報によれば1000以下の素数は全部で168個存在するようですが、円周率の桁宜しく素数を丸暗記しているような猛者でもな続きを読む “素数とエラトステネスの篩 (2021年 一橋大)”

安定同位体の実在性 (2021年 慶応大・医)

 今年の慶応医学部最初の大問は8つの選択肢から条件に合うものを2つ選ぶという内容で、僅かに二題しかありません。いずれも内容は標準的ですが、1つでも間違ってしまえば大問の半分を落とすことになる為、緊張感はかなりのものです。続きを読む “安定同位体の実在性 (2021年 慶応大・医)”

玉入れ問題に関する話③ (2021年 早稲田大・理工)

 最近玉入れ問題絡みの記事をアップした中でややタイムリー(?)な問題が、今年の早稲田理工で出題されました。今回は箱に玉を入れる方法の総数ではなく、各箱に入った玉個数の最大値と最小値の差が主役となっています。 解答 (1)続きを読む “玉入れ問題に関する話③ (2021年 早稲田大・理工)”

確率論と座標 (2019年 浜松医科大)

 確率と平面座標を融合させた面白い切り口の問題です。 解答  事象AとBが互いに独立であるという事は「P(A∩B) = P(A)P(B)」が成立する事と互いに同値です。従ってベン図を利用して点Q及びRの座標をP(A), 続きを読む “確率論と座標 (2019年 浜松医科大)”

玉入れ問題に関する話② (1996年 東大理系・後期)

 前記事の兵庫医大( https://wp.me/pbB1S2-Lh )に続いて「玉入れ問題」に関する内容で、各小問(1)(2)(3)(4)は前問の(a)(d)(c)(b)のケースに相当します。  箱の数こそ前問より少な続きを読む “玉入れ問題に関する話② (1996年 東大理系・後期)”

玉入れ問題に関する話① (2020年 兵庫医科大)

 複数個の玉を複数個の箱に入れる場合の数に関する問題は、大学入試において定番中の定番と言えます。しかしながら問題の状況設定に応じてその数え上げ方には大きな違いがあり、それに応じて難易度も変化します。  以降では玉が区別で続きを読む “玉入れ問題に関する話① (2020年 兵庫医科大)”

正接絡みの式変形 (1999年 東北大前期・文系)

 正接にはいわゆる和積公式や積和公式に相当する公式が存在しない為、三角比の相互関係から余弦と正弦の式へ変改したり、加法定理を利用するのが最初の一手となります。 解答  三角比の相互関係により、余弦と正弦の式に直した後は「続きを読む “正接絡みの式変形 (1999年 東北大前期・文系)”

円周の分割と論証 (2002年 東大・文系)

 どちらかと言えば京大で出題されそうなタイプの問題で、面倒な計算は一切必要ありません。とりあえず小さなmやnの値で試してみると確かに命題は成立しそうですが、これを一般化して証明する為には高い論証力が必要です。 解答  m続きを読む “円周の分割と論証 (2002年 東大・文系)”

漸化式を解く前に一呼吸 (2007年 一橋大)

 本問を素直に解くのであれば、与えられた漸化式からan, bn, cnの一般項を具体的に決定した上で(1)及び(2)に取り組むこととなります。  anは等比型、bnは階差型の漸化式で与えられており、各々の一般項を求める事続きを読む “漸化式を解く前に一呼吸 (2007年 一橋大)”