
素数絡みの整数問題は大学入試において頻出であり、本問もそうした問題の一つです。n, kと2つの文字について同時に考える必要がある上に誘導も無い為、素数や整数に対する実戦経験がものを言います。
解答
自然数n, kに対して a(n, k) = nk + k と定義する。
次に自然数nを固定し、a(n, 1), a(n, 2), …, a(n, k)が全て素数となるようなkの条件について考える。
n = 1の時
a(1, 1) = 2, a(1, 2) = 3 は素数であるが、a(1, 3) = 4は合成数である。従って、a(1, 1), a(1, 2), …, a(1, k)が全て素数となるような自然数kの最大値は2である。
nが3以上の奇数の時
a(n, 1) = n+1は4以上の偶数であり、2を素因数に持つ合成数となる。従って、 a(n, 1), a(n, 2), …, a(n, k)が全て素数となるような 自然数kは存在しない。
nが偶数の時
a(n, 2) = n2+2は4以上の偶数であり、2を素因数に持つ合成数となる。 a(n, 1), a(n, 2), …, a(n, k)が全て素数となるような自然数kの最大値は高々1である。
以上の議論より a(n, 1), a(n, 2), …, a(n, k)が全て素数となるような自然数n, kに対して、取り得るkの最大値は2である。
コメント
登場する2つの文字のうちnを固定して、与えられた式をkに関する数列であると捉える事が最初のポイントです。
この時、nが奇数ならば「偶数→奇数→偶数→…」、nが偶数ならば「 奇数→偶数→奇数→… 」といずれも正の奇数と正の偶数が交互に並びます。
この事に気付いてしまえば後は、「偶素数は2のみである」という基本的事実に基づいて場合分けを行うだけとなります。設問はやや大仰なものの、得られる結論は非常に単純です。
上記のように方針さえ立ってしまえば記述量・計算量は少ないため、素数絡みの整数問題に慣れていれば短時間で解き切ることが可能です。第1問目という事もあり、手早く捌ければ他の受験生に差を付ける事が出来たことでしょう。