巨大数の桁の和 (1975年 第17回IMO大会 第4問)

 国際数学五輪(IMO)の第1回大会は1959年にルーマニアで開催されましたが、当初はいわゆる東側諸国内における大会でありました。このような経緯から日本がIMO大会に初参加したのは冷戦終結後に行われた1990年北京大会となります。

 本問はIMO大会がまだ東側諸国内で行われていた当時に出題されたもので、44444444という非常に大きな数値をテーマとしています。本問の解答・解説に移る前に以下に示す類題について考えてみる事にします。

1990年 JMO予選 第1問

  本問は1990年の北京大会に向けた予選の第1問として出題されたもので、国内予選問題としては記念すべき第一号と言えました。一見すると上記の問題と似ていますが、Nが9の倍数であるという点が重要なヒントとなっています。

解答

  巨大数における各桁の和は元の数と比べて非常に小さな値となり、今回のケースであれば「1990桁→(高々)5桁→(高々)2桁」と変化します。

 今回のケースではNが9の倍数あることからN2も9の倍数であり、N2の候補を考える事で具体的なNが分からずともN3を決定することが出来ます。高々2桁の9の倍数の各桁の和は基本的に9ですが、例外として99の場合は18となる為記述式の場合は何らかの形で除外しておく必要が有ります。

1975年 IMO 第4問 の解答

 
 任意の自然数Nに対して各桁の和をN1と置いた場合、NによらずN-N1は9の倍数となる為N及びN1は9を法として互いに合同となります。N≡0 (mod 9)の場合は9の倍数の判定法として広く知られていますが、解答の赤字に示す通り実はそれ以外の場合も同様の事が成り立ちます。

 例えば本問の場合、44444444を9で割った余りは7であることからA、B、或いはBの各桁の和(=C)についても9で割った余りは7となります。

 ここまで分かってしまえば後の流れは1990年JMOの場合と殆ど同じであり、A、B、Cについて取り得る上限をざっくりと評価する事になります。9で割って7余る自然数は7, 16, …であるので、今回の場合は「C≦15」を得ることが出来ればOKです。

コメント

 自然数と各桁の和に関する問題はJMOやIMOでは時々出題されており、類題経験の有無が鍵を握る場合があります。本問についても結論を知ってしまえばある程度納得できますが、初見では中々に厳しいでしょう。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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