まずは小手調べ (2022年 JMO予選 第1~3問)

 例年JMOの予選は各1点の全12問から構成されており、特に最初の3問に関しては比較的解き易い部類の問題が並びます。

 今回は今年のJMO予選の問題のうち最初の3問についてまとめて紹介したいと思います。

第1問


 まずは今年の西暦にちなんだ整数問題です。

第1問の解答

 問題文の条件を満たす4桁の自然数をNとする。最初にNが3000より小さい場合、すなわち千の位が2となる場合を考える。この時Nの各桁に登場する2つの数字のうち1つは2であることに注意して、以下の通り場合分けを行う。

(i) Nの各桁に2が1回だけ登場する場合
 各桁の和が3の倍数となる事は無いため、このようなNは存在しない。

(ii) Nの各桁に2が2回登場する場合
 Nの各桁の和が3の倍数となるのは、2以外に出現する数字が1,4,7のいずれかの場合でありこのうち条件を満たすNの最小値は2112である。

(iii) Nの各桁に2が3回登場する場合
 Nの各桁の和が3の倍数となるのは、2以外に出現する数字が0,3,6,9のいずれかの場合でありこのうち条件を満たすNの最小値は2202である(Nが2022より大きい事に注意)。

 以上より3000より小さいNに対して最小値2112が与えられる。千の位が3より大きい4桁の自然数は全て2112より大きい為、結局求めるべき最小値はこの2112となる。

第1問に対するコメント

 条件を満たす4桁の自然数全てを考えようとすると中々に骨が折れますが、最小値だけを考えるのであれば千の位が2の場合のみを吟味すれば十分です。これにより各桁に出現する数のうち一方を固定出来る為、後は丁寧に場合分けするだけとなります。

第2問

 JMOの第2問は例年図形分野からの出題となります。台形の面積は一般に「(上底+下底)×高さ÷2」により求める事が可能であり、与えられた図から台形の高さは内接円の直径と同じ6であることはすぐに分かります。

 すなわち「上底と下底の和」をいかに求めるかが本問の鍵となります。

第2問の解答


 上のように内接円と辺AB, BC, CD, DAの接点をそれぞれP, Q, R, Sとおくと、多角形と内接円の性質から各辺の長さについて以下の等式が成立する。

AP = AS, BP = BQ, CQ = CR, DR = DS

 ここで台形ABCDの上底と下底の和 AD+BCに関して上記の等式を利用すると、以下の等式が成立する。

AD+BC = (AS+DS)+(BQ+CQ) = (AP+DR)+(BP+CR) = (AP+BP)+(CR+DR) = AB+CD

 AB = 7, CD = 8よりAD+BC = 15であり、また台形の高さは内接円の直径と同じ6である。従って台形ABCDの面積は15×6÷2 = 45である。

第2問のコメント

 上底と下底を別個に求めようとすると大変ですが、和に関しては多角形と内接円の関係から綺麗に求める事が出来ます。一般に内接円を持つ四角形は2組の対辺の和が等しいという性質を持っており、覚えておくと時短や検算に役立つ場合があります。

第3問


 3問目は場合の数からの出題です。移動先が隣接する頂点のみであれば時計回りか反時計回りの2パターンのみですが、向かい側に移動出来る事により状況がやや複雑になっています。

第3問の解答

 頂点Aから移動できるマスはB, D, Fのいずれかであり、それぞれについて場合分けを行う。

(i) A→Bと動く場合
 以下のような4通りのルートが考えられる。

(ii) A→Dと動く場合
 以下のような4通りのルートが考えられる。

(iii) A→Fと動く場合
 (i)の場合の逆回りと考えれば良いので4通りである。

以上(i)-(iii)を合わせて、求める答えは12通りである。

第3問のコメント

 取り得る経路は決して多くは無く、あれこれ考えるよりは虱潰しに数え上げた方が早いタイプの問題です。(iii)については(i)の逆回りなので具体的なルートを羅列せずとも良いですが、樹形図を使っても然程時間はかかりません。

おわりに

 年度によっては最序盤から厄介な問題が紛れる事がありますが(特に第3問目)、今年は比較的素直な問題が並びました。強いて言えば第2問で少し発想力を要求されますが、JMO予選突破を目指すのであれば短時間での完答が要求される内容です。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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