3次元塗り絵 (2022年JJMO予選 第8問)


 穴の開いたルービックキューブのような立体に数字を書き込むタイプの問題で、厳密には塗り絵ではありませんがタイプとしては同じです。

 ルールに従って数字を書き込むにあたっては6面全ての状況を一度に把握した所ですが、この立体をどのような角度から見たとしても同時に見る事の出来る面は高々3つとなります。本問を解くに当たってはこの視覚的制約を如何にして解消するかが最初のポイントとなります。

解答

 下図左側のように立体の上面8つのブロックにA~Hとアルファベットを振り、それに対応する展開図を右側のように定める(同じアルファベットのマス目には同じ数字が入るものとする)。


 ここで展開図において緑色で示されたマス目は、C,D,Eに対応する数字が書き込まれた側面とE,F,Gに対応する数字が書き込まれた側面により共有されたブロックに由来する。従って緑色に対応するマスに書き込める数字はA,B,Hに対応する数字のいずれかである。同様にして展開図青色の領域にはB,C,Dに対応する数字、黄色の領域にはD,E,Fに対応する数字、赤色の領域にはF,G,Hに対応する数字が書き込まれる。

(i) 緑色のマス目にA,Bに対応する数字が入る場合

 今1つのマス目にAまたはBが入ることをA/Bのように表現する。緑の箇所にA/Bを対応させた後に、4つの側面について時計回り或いは反時計回りにルールに従って対応するアルファベットを当てはめると下図①のようなパターンのみが許容される。

 そして各側面と底面の共有部分を考える事で、底面におけるアルファベットのパターンは下図②のようになる。

 ところが底面では既にB,D,F,Hが割り振られている為、A/B, C/D, E/F, G/Hの箇所はそれぞれA,C,E,Gと決定される。残りの二択の部分についても最終的には下図③の通り唯一通りに定まり、結局緑のマス目にA,Bに対応する数字が入るようなパターンは1通りしか存在しない。

(ii) 緑色のマス目にA,Hに対応する数字が入る場合

 (i)と同様に考えると、下図に示す1パターンのみが与えられる。

(iii) 緑色のマスにB,Hに対応する数字が入る場合

 E,F,Gに対応する数字が書き込まれた側面から始めて時計回りに埋めてゆくと、最初にC,D,Eに対応する数字が書き込まれた側面において矛盾が生じる(赤色及び緑色で示された4か所のマスに対して、対応し得るアルファベットがB,G,Hの三種類しか存在しない)。従ってこの場合は適切なアルファベットの割り振り方は存在しない。


 以上より上面におけるブロックの配置を決定した場合、残るブロックの配置の仕方は(i)と(ii)に対応する2通りである。そしてA~Hに1~8までの数字を割り当てる方法は8!通りである為、求める場合の数は2×8! = 80640通りである。

コメント

 展開図を利用して与えられた立体を二次元的に見る事で見通しが非常に良くなります。その後はルールに従ってあり得るブロックの置き方を丁寧に考えるだけなのですが、試験場で落ち着いて考えるのは存外難しく正答率は低めだったと思われます。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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