初手が全て (2003年 京大理系 後期 第4問)

 数列anに関する条件は極めて抽象的であり、一見すると命題を示すことは困難であるように思われます。本問を解く上では与えられた唯一の条件「anの各項は全て正」を使う事となりますが、どのように利用するかがカギとなります。

 なお文章中では言及されていませんが、以降の解答ではnが整数であるものとして議論を進めています。

解答


 本問は背理法の利用に気付けたか否かが全てと言っても過言ではありません。背理法に舵を切った後は命題の否定から二項間漸化式の要領で④の不等式を導き、右辺がn→∞で負に収束することから「anの各項は全て正」に対する矛盾を導くことが出来ます。

コメント

 然るべき解法を選択できれば短時間で解答可能という点において実に京大らしい入試問題であり、背理法に辿りつくまでの時間が解答時間に直結します。計算・記述量が少ない分丁寧な論述を心がけて取りこぼさないようにしたい所です。

余談

 試験場では上述の極限に基づく解法で十分と思われますが、実際は不等式④の右辺に関して

\(\displaystyle\frac{a_0+2p}{2^n}-2p<0~~\Leftrightarrow ~~n>\log_2(1+\displaystyle\frac{a_0}{2p})\)

 となるので、仮定が真であれば\(\log_2{(1+\displaystyle\frac{a_0}{2p})}\)以上のn全てに関して\(a_n\)は0以下となります。記述量や計算量は若干増えますが、「十分大きな」といった曖昧な表現を排除できるため、証明はより厳密なものとなります。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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