四乗数と素数 (1969年 第11回IMO ルーマニア大会 第1問)

以下の性質を持つ自然数 \(a\) が無限個存在することを示せ。

(性質): \(z=n^4+a\) はどの自然数 \(n\) に対しても素数ではない。

 任意の \(n\) に対してある \(n\) の整式が合成数(=素数ではない)となるかを判断する場合、剰余を考える事で解決する場合も多いですが、本問のケースでは \(n\)と共に\(a\)も変化させる必要が有るため中々上手くいきません。

 本問を解くための鍵は「合成数は2つの2以上の自然数の積で与えられる」という、ごくごく当たり前の事実となります。

解答

 2以上の自然数 \(b\) に対して \(a=4b^4\)と置くと\(z\)は以下の通り因数分解出来る。

\(z=n^4+a=n^4+4b^4=(n^4+4b^2+4b^4)-4b^2\)
\(=(n^2+2b^2)^2-(2b)^2=(n^2+2b^2+2b)(n^2+2b^2-2b)\)

 更に \(n\geq1\) かつ \(b\geq2\) であるから

\(n^2+2b^2+2b\geq2\)
\(n^2+2b^2-2b=n^2+2b(b-1)\geq2\)

 従って任意の自然数 \(n\) に対して \(z\) は2 つの2以上の自然数の積として与えられるため合成数である。\(a=4b^4~(b\geq2)\) の形で与えられる自然数 \(a\) は無数に存在する為、問題文で与えられた性質を満たす自然数 \(a\) は確かに無限個存在する。

コメント

 「\(n\)に関する整式が常に合成数」という条件から\(n\)に関する因数分解を利用するという着想に至ることが出来ればあとはほぼ一本道となります。解答に当たっては\(x^4+4y^4\)の因数分解に関する予備知識が必要となりますが、IMO参加者という前提に立てば問題となる事は無いと思われます。

 なお \(b=1\) の場合、 \(n=1\) の時に\(z=5\) であり条件を満たさない点に注意が必要です(\(n^2+2b^2-2b=1\)となる為)。

 第1回大会(1959年)の頃に比べると問題の難易度はかなり上がっていますが、現代のIMOの問題と比較するとまだまだ穏やかな印象を受けます。

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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