歴史の幕開け (1959年 第1回 IMO 第1問)

 任意の自然数 \(n\) について, \(\displaystyle\frac{21n+4}{14n+3}\) は既約分数である事を証明せよ

 60年以上の歴史を持つIMOの第1回大会は東欧ルーマニアにて開催されました。以前の記事でも言及しましたが、IMOは元々東側諸国内で始められた大会であり第1回大会は開催地ルーマニアを含む7か国が参加しました。

 本問はIMO第1回大会の第1問であり、IMOの歴史におけるまさしく最初の1ページという事になります。

解答

 \(21n+4\) 及び\(14n+3\) の最大公約数を\(p~(\geq1)\) と置くと、互いに素な自然数\(q, r\) に対して、

\(21n+4=pq\tag{1}\)
\(14n+3=pr\tag{2}\)

 \((1)\times{(-2)}+(2)\times{3}\) により\(n\)を消去すると、

\(p(3r-2q)=1\tag{3}\)

 式\((3)\)及び\(3r-2q\)が整数である事から\(p=1\) であり、任意の自然数\(n\)に対して\(21n+4\) と\(14n+3\)は互いに素である。従って与えられた分数 \(\displaystyle\frac{21n+4}{14n+3}\)は\(n\)によらず既約分数となる。

コメント

 「有理式が既約分数」⇔「分母と分子が互いに素」と読み変えれば、あとは大学入試などでも時々見かける整数問題となります。今回は最大公約数を\(p\)と置いて議論を進めましたが、本問には別解も多数存在しており、例えばユークリッドの互除法によっても\(21n+4\) と\(14n+3\)が互いに素である事は容易に確かめる事が出来ます。

 現代のIMOと比較すると問題の難易度は非常に低く、黎明期における難易度調整の試行錯誤が感じられます。最初の数年は本問と同様に大学入試レベルの出題が続きますが、ほどなくして参加国の増大と共に問題のレベルも急上昇する事となります。

 

投稿者: matsubushi

趣味で数学など

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